第5話 反対しないでよ

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第5話 反対しないでよ

「え、流輝……?」 「何言ってんだよ、一刻も早くここから出ようぜ!」 『ああ、その方が……』 「さっき言ってただろ、“逃走を試みた場合死ぬ”って」 「でも、そんなこと言ってられない……」 「あれを見てもか?」 「え?」 流輝が指を指した先には、監視カメラがあった。 「監視カメラ……」 『なるほど、これじゃあ無理そうだな』 「多野さんも大人しくした方がいい」 「でも、犯人はどうやって殺すって言うのよ」 「おそらく、この首輪だ。爆発物か何かが仕込まれていると思う」 「そっか……確かに」 「逃走は諦めて、何か他に方法を探そう」 「他の方法って言われても……」 「やっぱり……」 『……ゲームをやるしかない』 俺がそう言うと、皆は静かに顔を合わせた。 「私はやりたくない。失敗したら死ぬんでしょ?」 『やらない限り状況は変わらないぞ』 「逃げても失敗しても死ぬならゲームなんてしたくない」 「颯馬、悪いけど俺もやらない」 『美結、謙斗、皆……』 「……俺はやるよ」 『流輝!』 唯一賛成してくれたのは、流輝。 いつもなら少し笑顔な流輝の顔は、真剣な表情になっていた。
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