(二)

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「今までラクダに乗っていたのは、幼い子供だった。それが人道的に反する手段で連れて来た子供だったため、今ではロボットが騎手を務めている」  あぁ、その話なら以前テレビのニュース番組で見たことがあった。でも、それが今回の件と何の関わりがあるのだろうか? 「確か貧しい国の子供を誘拐したり、買ってきたりして問題になったのですよね? え、まさか!」 「そのまさか、なんだ。ロボットでは物足りないと感じている、一部の金持ちのせいで子供達が誘拐された。そして……」  ザイードが言い淀んだ。できれば言いたくないような話が、後に続くようだった。 「君の友人達が……性奴隷となるべく調教されていた。やはり金持ちに売るために、薬物を打たれ意のままにさせられていたんだ」  苦々しげに彼が語った話を、私だって聞きたくはなかった。ジェニーのあの叫び声が、今でもはっきりと耳に残っている。あれは薬物を打たれ、男性に性的暴行を加えられていた証だと言うのだろうか。  「前にも言ったが、君は少年に間違えられ難を逃れた。もしも君までもが毒牙にかかっていたら、真相は闇に葬り去られたかもしれない」  
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