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ジェーンの最後の叫び声が聞こえてから、どのくらい時間が過ぎたのだろう。飲み物も食事も与えてもらえず、子供達の目は虚ろになっている。
体調不良で寝たきりだった私は、なんとか耐えられる。たが、食べ盛りの子供達には耐えられるはずがない。
理不尽にも狭くて寒い牢屋のような小部屋に監禁されている。あの扉を叩いて、せめて水だけでも貰えないか訴えよう。まだふらつく足で扉に近づくと、パンという乾いた音が遠くから聞こえた。
すると、今度は大きな爆発音が辺りに鳴り響いた。男達の怒鳴り声と叫び声、物が壊れる衝撃音。この扉の向こう側で、一体何が起こったのだろうか?
ふいに身の危険を感じ、子供達の元に戻った。怯える六つの瞳には、絶望の色が浮かんでいる。私だけでもしっかりしなくては!
「大丈夫! 大丈夫だから!」
必死になってそう言い聞かせ、子供達に覆いかぶさるよう抱きしめた。私に何かあっても構わない、せめてこの子達だけでも助かって欲しい。そんな思いで子供達をかばっていた。
ドンッ!
激しい衝撃と共に、扉が爆破された。そして、叫びながらなだれ込んできた黒い塊に体中を殴られ、そのまま私は気を失った。
瞼を閉じた後の闇が、永遠に続くかと思った。
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