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Ⅶ.判定試験
翌日から様々な判定試験が行われた。
体力テストから実践形式の戦闘、様々なシチュエーションを通した判断力のテストなど、数日間に分けて判定員達から品定めを受けた。
俺は我ながら力を誇示することが出来たと思うし、その時々で最高の対応をしたと自負している。この時のために準備した全てをぶつけた。
――そして最終日、お上の屋敷に呼ばれて判定結果を受ける時が来た。
先程同僚が屋敷から泣きながら出てきた。あれは感涙ではなかった。俺の次くらいに優秀だと思われていた男がその様子では、今年は中々厳しいらしい。
関係ない。
俺の目指すのはもっと高い頂きなのだから。
「――失礼いたします」
俺は屋敷の扉を開く。
「デルガドさん、そちらにお掛け下さい」
判定員に促され、判定員と村の上層部の並ぶ席の正面の椅子に腰掛けた。
兄ちゃんをスカウトした不思議な男が、口を開く。
「デルガドさん、2年前のあの日から、更に成長なさいましたね」
「……はい!」
「これ程の人材に成長なさってくれてとても嬉しいですよ。特に盾術ですね、あれはもうデルガドさんのオリジナルと言ってもいい素晴らしい技能です」
「ありがとうございます!」
ん……盾術?
まあ剣術よりは得意だとは思うが。オリジナルと言われているのは何だろうか、盾を強化して殴りつける技か、もしくは投げつけてフリスビーのように攻撃に使うことだろうか。
まあ何にせよ、何かしらで評価を貰えたことは良いことだろう。
「それでは判定結果をお伝えします――」
いよいよ、その時を迎える。
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