ショパン、ドビュッシー、ラフマニノフ

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「生命保険とか、きちんとでた?」 「生命保険どころか、その建築会社から賠償金がすごかったの」 「そりゃ、そうだろうね」 「いくらだったと思う?」 「分からない」 「八千万円」 「えっ?」 「八千万円、本当に口座に振りこまれた」 「それはラッキーだったな!」 思わず、ぼくは声が大きくなった。 「怒るよ、わたしはそういう女じゃない」 冬子が、ぼくをにらんだ。 たしかに、そういう女じゃない。
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