二重人格

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二重人格

二重人格 「なぁ柊介、お前俺のご主人様になったんだろ?自分の雌猫、キッチリ開発しろよ」 「僕って言ってなかったか。一人称俺呼び?」 「僕は営業用だよ」  線も細いし、色も白いし、サラサラな長髪で、口元の黒子がめちゃめちゃ可愛い柊介の男。  覚悟も何もかも、自分なんかより遥かに上等で、全然追いつける気がしないけど、待っていてくれよ。亮介が俺をご主人様だって言ってくれるなら、お前の体、キッチリ開発して俺の物にしてやるさ。 「次はお尻の穴ほぐそうね。でも、とりま朝ごはんにしましょうか」  俺は笑っていった。 「ご飯がいいっす!白飯。亮介さん」  さっきまで人のチンコにカテーテルぶっさして来たくせに、何甘えているんだよ。 「お前がご飯にしましょうね、って言ったんだろ?ご主人様が作ってください」  亮介はからかうように、はにかんで笑った。 「嫌ですよ。真っ黒黒すけの炭になっちゃいます。まずいご飯好きじゃないです」  キラキラした目をするな———。  まさか本当に二重人格なのか?あの人を射るような目をした、ドエスのオスは鳴りを潜め、完全に後輩君のそれだ。  目の前で大型犬が尻尾をブンブンふっている。さしずめアフガンハウンドって感じだな。  昨日の夜はシェパードだったのに。 「柊介、お前、使い分けが過ぎない? 」 「ん———、わざとじゃないんですよ。何て言うか、スイッチがあるんです。昔から体育祭とか、練習は怠いから、限りなく適当にながすんです。で、本番は順位つくじゃないですか。勝ち負け凄いこだわるんで、スイッチ入ってアドレナリン出過ぎたら、痛みすら感じません」 「語尾まで変えるとか、うわ、最悪。厄介な奴なんだな。とりあえず、負けず嫌いって事? 」 「ですね。しかも他人の評価とか基本どうでもいいんで、自分で見たことしか信じないし、噂も興味ない。協力とかもホントは苦手。だから個人戦のが得意なんですよ。昨日は敵がいたし、貴方が火をつけたんでしょうけど、ああなると、全くもって周りは見えません」  柊介をチラリと見やりながら、キッチンに行くと、男の独り暮らしにしては、破格のでかさを持つ冷蔵庫を静かにあけた。  中には卵とバター、ベーコン、コーラ、トマトが入ってる。 「ご飯のおかずになるようなものは何も無いよ。今日買い物に行こうと思っていたんだから」  脇から顔を突っ込み、開けっ放しの冷蔵庫に首だけいれて、中を覗き込んで来た柊介は、ブー垂れたように言った。 「彼氏命令、納豆と豆腐買ってきて」  こいつやっぱ馬鹿だ。 「ふざけんな!テメェで買ってこい」  軽口を肩をすくめ、さらっとながしながら口笛を吹いた。 「なら今日はパンで。後で買い物行きましょう」  外は清々しい位に晴れ渡り、昨日の落雷が嘘のようで、虹まで出ている。 「柊介、台風一過だ!しかも虹まで出てるよ。ちょっと来てみて」 「台風ファミリー? 」  くい?っと首を傾げて、でっかい目でじっと見てきた。 「まじか。お前もしかして本当にバカ? 」 「失礼だな。台風一家って亮介さんが言ったんだよ」 「とりあえず、何から何まで突っ込みたい」 「突っ込むのは俺だから」 「ああああ————————」 頭を抱えるとはこの事だと、亮介はまさに実感した。  柊介をダイニングのソファーに呼びよせた。  何故かしらないが、床に正座をして、亮介の前に座っている。怒られると思っているのか、あながち間違いでも、ないけれど。 「まずな、台風一過って言うのは、台風一家じゃない」  分かりやすく紙に書いて見せてやった。台風が過ぎ去った後の、カンカン照りの天気とか空とかの事。  簡単に説明する。 「それと何から何まで突っ込みたいは、ケツに挿れたいって意味じゃない! 」 てへって顔すんな。 「わかった? 」 「なんとなく! 」  めちゃくちゃデカイ声で、満面の笑みで答えてくれた。 まあ、かわいいし、豹変したアイツは最高にいかしたいい男だったし、ちょっと馬鹿なのは大目に見てやるよ。 「飯、一緒に作ったほうが楽しいよ。教えてやるから柊介、やってみない? 」 「んー、ご褒美は? 」 「俺のケツ、じゃ不服? 」 「んな訳ねーじゃん」  テレビをつけたら、パンダの赤ちゃんが生まれたってニュースをしていた。 「亮介さんお店って定休日いつ? 」 「火曜日だよ?なんで? 」  一緒に朝ごはん作ろうって話だったのに、早々にお役御免で、なんとなくテレビをつけたら何とパンダが産まれていた。  なぁ、なんていうか……パンを焼くだけの簡単なお仕事?失敗するの普通なのか?  こんなに黒いパン見た事ないってめちゃくちゃ笑われた。 「あのさ」  なんとなく言いよどんでいると、亮介はホイッパーを振り回しながら寄ってきた。 「ん? 」  エプロンを付けた亮介さんからは、とてもいい匂いがした。  フライパンの中のベーコンを指でつまみ、ほっぺた一杯に肉を頬張っていると、細胞の穴が一気に広がる。 「振り回したら危ないってば」 「ごめんごめん」  ボールの中には生クリームが入っていて、ちょっと甘めがウィンナーコーヒーには最適だとカチャカチャとボールの生クリームを泡立てている。  柊介は携帯で、最新のパンダニュースをググっていた。その画面をのぞき込むと、肩に顔をするりと寄せて、名前は?と聞いてきた。 「名前はまだ無い」  ちけーって! 「漱石? 」  「? 」 「いや吾輩は猫であるでしょう? 」  だからちけーって!  横を向いたら、あの薄い唇が迫ってきて、どうしてもチュウしたくて仕方が無い。 「何それ」 「もういいわ」  本能の赴くまま、気がついたら、音がするほどにみだらなキスが、繰り返されていた。 「ん——。飯食うんじゃないのかよ」 「亮介を食いたい」 「俺は主食じゃありません。器に盛りつけているんだから、邪魔をするな」  柊介は、亮介の尻に手をかけ、グッと力を入れて左右に広げると、穴の周りをいじり始めた。 「飯食うんだからやめろって」  亮介の文句なんか、聞く耳を持たない柊介に、亮介はシャツのボタンを外されて、乳首を全開にしたまま、軽々と抱え上げられソファーに降ろされた。 「パンダ行くんじゃないのかよ」 「今度ね」  いや、俺が行きたがってるみたいな反応止めろ。 「なにすんだよ」  この目。俺の好きな目だ。 「朝ごはんにするんだろ?喰ってやるよ」  全立てにしてた生クリームを、露(あらわ)になってるエロ乳首に塗りたくっていく。  乳首はびんびんに感じ始め、生クリームを舐めとるように柊介に吸われると、開発され始めた小さな乳首は、喜んでいるかのように固くとがり始めた。 「ベーコンの脂が固まる。ソファーに生クリームが付いたらイヤなんだけど」 相当嫌そうな顔をしてたんだろう、突然バスルームに歩いて行った柊介は、手に何かを持って帰って来た。 「ほら下に引くよ。自分で腰上げられる? 」 「柊介! 」 「ん? 」 「いや、ん?じゃなくて」  柊介は出来ないと受け止めたようだ。 「クスクス、あはは、赤ちゃんみたい」  柊介が亮介の足首を掴んで、上にあげる。オムツを下にいれるお母さんみたいに、バスタオルを尻の下に滑らせた。 「なにすんだよ! 」  真っ赤になった顔は頬のみならず、首まで朱に染まっていく。 「恥ずかしい事するなよ」  だんだんと尻窄みになる亮介の声に、柊介は気を良くしたのか、よりによって生クリームをローション替わりにし始めた。 「なっ 止めろ! 」  凄い強さで穴を締め上げたものの、体格差は歴然。柊介は指にコンドームを填め、固く締めている蜜壺を、生クリームでぐちゃぐちゃにし、強引に皺を広げ始めた。  第二間接まで一気に突っ込むと、亮介の腰は左右に揺れ、なんとか指を抜こうと試みる。そんな亮介を見下ろす柊介は、ズプっいう効果音が響くように二本の指で一気にピストンを始めた。時折腹側に曲げてやる。 「ん————————————」  鼻から抜ける声しか出せない程、下半身の刺激は強烈で、今までこの体に突っ込んできた奴らのテクニックは、一体何だったのかと考えていた。  突然降り注ぐ、声という音の砲弾に、亮介の身体は、固くなるのを拒めなかった。 「亮介」 「何を考えているんだ? 」  バリトンの重低音に、はっと意識を目の前の男に戻すと、嫉妬の色に顔を歪ませた柊介が、喰らいつくす勢いで見下ろしていた。 「睨むなよ」  たった五文字を紡ぎだすのに、喉の奥が焼けるように熱い。 「俺の事以外を、考えるなんか赦さない」  尻の指は怒りを持って動いているからか、ピストン運動もグラインドもゆっくりゆっくり焦らされる。 「あ————————そんなじれったい事しないで。イヤ—————」 「良いの間違えだろ。俺のこと馬鹿呼ばわりするくせに?自分は良いもイヤもわからないの?困ったやつだ」  なけなしのプライドで睨みを聞かせても、目尻に浮かんでる、涙のせいで効果はもとない。  今までだって、前立腺を刺激してきた男はいた。でもこんなに身体中がゾワゾワざわめきだつ事なんか一度として無かったじゃないか。  まだわからないの?と聞いてくる。 「何がわからないんだよ!柊介! 」 「亮介って賢いくせに馬鹿なのな。わからないのなら身体で覚えて。これ鉄則でしょう」  少しだけ空気の入れ換えに、開けていた窓が気になる。カーテンがヒラヒラと内側に舞い、どうしたって空いていると認識させられる。  それに柊介はわざと声を出させようとするもんだから、窓なんか開いていたら、明日からご近所さんとどういう顔して会えば良いかわからない。 「ほーらまた、他に気を取られてる。しょうがないなー」  柊介はカバンから何やらごそごそと出してきた。  二センチ位の丸い玉が、縦に何個も沢山ついてる。まさか。亮介は額から冷や汗が出るのを拭きながら、じっと柊介を見つめた。  エロ本で見たことのあるそいつが、柊介の手の中で黒光りしている。 「待てよ、まさかそれを俺の中に入れようっんじゃないよな! 」  俺は膝を閉じて、懸命にあそこを隠した。 「膝を閉じても、すでに指が入っているじゃないか。いまさら恥ずかしがんなって」  柊介はさりげなく、三本に増やした指を、小刻みに曲げては、亮介の良い所を、嫌ってほど擦った。  亮介の目の前に差し出されたアナルボールは、柊介によって無理矢理口に突っ込まれ、やらしい声で、舐めろと命令された。  言われるがまま、口を開き自分の中に突っ込まれるはずのそれを、幾度となく舐めあげた。 「ほらいくよ? 」  足を胸まで一気に折り畳まれた亮介は、アナルの入り口に、当てがわれたそいつのひんやりした感触に、腹の底から歓喜を味わっていた。 「息をはいて。亮介。ゆっくり飲み込もう」  
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