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陽キャデビュー大失敗した理由(続)
一応入学式は青空の下で行われた。マスク社会だというのにも関わらず、私はマスクを着けていくのを忘れて恥ずかしい思いをした。1年5組。ぱっと見た感じは仲いい人はいない。強いて言うなら、あまり好きではないけれど、小学校でよく一緒に帰った女の子が後ろの席にいた。
静かな教室で騒いでいる男女二人組がいる。
...あの二人に話しかけたら陽キャの仲間入り...!
私は席から立つと二人に猛突進をすると同時に「優等生!」と叫んだ。
男女二人組は「は?」といいたげな顔をしている。私は「優等生ですか?」って聞きたかっただけなのに...。
※それでも変な人です。
これじゃあ、単語言いながら走ってきた怖い人じゃんw
「俺、優等生だよ」
さっきの男女のうち男子のほうが席から立ってドヤ顔をした。さっきの数学の初授業で一番発表していた人だ。
「やっぱりそうですよね?!」
この時の私は恐らく、外から見たら目をきらきらさせていただろう。
「はぁあ?コイツが優等生なわけないじゃん!笑えるw」
そういって立ち上がったのはさっきの女の子。この3人、身長はほとんど変わらず、同じくらいだった。
「はじめまして!優等生ちゃん。私は西口成海です!よろw」
片手を差し出され私はその手を握った。
「俺、小野未来翔」
小野さんがそういうと同時に西口さんのビンタが小野さんの頬へ直撃!
「なんや!痛いなw」
「コイツが優等生じゃないって話しようと思ったらたたきすぎたw」
「わざとやろ!」
「ちゃうわ!wコイツ、小学校で女の子泣かしたんやでw有りえんやろ?」
「なんのことでしょう!」
「とぼけんなww」
急に始まった二人の会話にはとてもついていけなかった。
「そんなことより!友達なろ!名前は?」
西口さんは小野さんの背中をしばきながら笑顔で聞いてきた。
「あー、近藤沙友梨!よろしくな」
「よろしく〜!」西口さんは小野を押しのけて私の手を握りブンブンと音がなりそうなくらい縦に振ったので肩が痛い。
「さゆりって呼んでいい?」
「いいよ!じゃあ私西口さんのことなんて呼んだらええ?」
「成海!」
「あいあいさ!小野さんは?」
「なんでもいい。」
そういってそっぽを向く小野さんに対してこれでもかというほどのビンタが飛んでくる。
「ごめんな〜!コイツ」
なんやこの人ら...!wやばい、初の友達やばい人になってしまった!
「あの!」
勇気を出して声を出す。二人はこっちを向いた。
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