陽キャデビュー大失敗した理由(続)

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「成績とか、テストとか勝負しよ!賢そう」 「って言う人ほど賢かったりするよねw」 成海が私の肩を掴む。小野さんは笑いながら「いいけど100負ける」と言った。 「さゆりはうちの小学校の優等生やから。」 そう聞こえて振り返ると、私の後ろの席、同じ小学校出身の橋本夏喜(はしもとなつき)が立っていた。多分この人のことだから寂しかったのだろう。夏喜が「どうも。橋本夏喜です」と会釈をすると、二人も「西口成海だよ〜!成海って呼んでね!」「小野未来翔」と簡潔に自己紹介をした。 「さゆりとは4年目の仲だから。うちの小学校代表としてさゆりが勝ったしてもらいま〜す!」 「ちょっとwハードルあげんな」と突っ込む。 「よし、じゃあ勝てる気しないから橋本、同盟組むか。トータルで勝負な。近藤さん。」 小野さんはニヤリと笑うと、成海は「未来翔、ヒキョー!」と言った。私は「そりゃなしだろw」といって夏喜の顔を見るとまさかのまさかで夏喜もノリ気であった。「いいねー!小野!さゆりボコボコにしてやろ!w」とうなずきあう2人。成海に助けを求めるが、うなずくだけで助けてくれなかった。 そんなこんなでこの四人は毎日話すようになった。日曜日。少し早めに学校へ行こうと家を出た時、私は寒気がした。こんなに早く家を出たのになぜこんな所にいるのだろうか。そこには蓮が薄気味悪い笑顔をして立っていた。正確に言えば薄気味悪い笑顔に見えただけかもしれないが...。
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