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蓮につれてこられた場所は校舎裏のゴミステーションだった。
「さゆり?」
怖いです。やめて!って言いたいのに言えない。両手を握られ、見つめられている。強く握られた両手はジンジンと痛い。
「痛っ..」
そう声を出してしまうと彼はニコリと微笑む。怖い。怖い怖い怖い怖い。
心臓が私を圧迫する。逃げたい。誰か来てください。
―ガシャン
誰かが近くにいる!そう思うと蓮は一旦離れた。そろそろ部活の時間なのだ。
「?こんなとこでなにしてるん。おはよーございまーす。」
陸上部の先生がそこにはいた。あぶねー。見られてたらこんなやつの彼女になるとこだった。それか助けを求むべきだろうか。入学してすぐに目をつけられたくない。動くのはやめよう。
「いえ、早く来ちゃったので一緒に学校探検をしてました^^」
私はそう答えると隣から「ナイス」と聞こえた。先生が去った後、「そんなに俺と一緒がいいんだね。」とまた笑いながら言ってくるから逃げてやった。
向こうのほうが速いけれど、人前に出ると追いかけてこないことをわかってたから。
初めての部活は全然楽しくない。蓮を警戒しなければいけないから。男女別だったのでなんとか助かったと思っていたが。無駄だった。
私が長距離を選ぶのをみて、彼も男子のほうで「じゃあ俺も長距離で!」というの聞いた。
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