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「ねぇ、どうしよう!お父さんは?迎えに来てくれないかな?」
『無理よ。お父さんもこっちに来たばかりだから。引き継ぎでバタバタしてるの』
「じゃあどうすればいいのよ!」
私がそう叫んだ瞬間、電話がブツッと切れた。スマホを見ると画面は真っ暗。電池切れのようだ。
「嘘でしょ・・・」
親との連絡も取れなくなった。更に頭痛が強くなる。
とりあえず近くの公園で休もう。私は頭に響かないようにゆっくりとした足取りで公園へと向かった。
公園に着くと、ベンチに倒れ込むようにして座る。
何か飲み物を飲んだほうがいいかもしれないと思いリュックから小銭入れを取り出す。二百円ある。何とか買えそう。
自動販売機に向かうため立ち上がろうとしたのだが、目の前がチカチカとして立てなかった。
飲むのは後にして、しばらくじっとしていようと目を瞑った。
「あの」
私のすぐ近くから男の人の声がする。
目を薄ら開けると、茶色い髪に白い肌と綺麗な顔をした美人な男の人が私というより私の手元を見ていた。
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