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──貴方はいつか私を超えるだろうと思ってた。これから大変なことがたくさんあるだろうけど頑張ってね。任せたよ、アイ───
ハッとして目が覚める。まさかあのときの言葉を夢で聞くとは思わなかった。
そして最初に目に飛び込んできたのは真っ白な天井。
私は誰かの家のソファに寝転んでいた。右を向くとローテーブルの上に私の小銭入れが置かれている。
ゆっくりと起き上がって周りを見渡す。家具はこげ茶色で統一されているシンプルな部屋だ。
ここ何処だろう。周りをキョロキョロしていると階段を上がってくる足音がして、私の小銭入れを見ていた男の人が顔を出した。その人が私を無言で見つめてくる。
私はソファの上で正座して頭を下げた。
「すいません。ご迷惑をおかけして」
すると彼が近付いてきてテーブルの上に水のペットボトルを置いた。
「軽い熱中症だ。水分取った方がいい」
「はい・・・」
ペットボトルを開けて半分程を一気に飲み、大きく息を吐く。頭痛も少し収まってくる。
「熱中症って、まだ梅雨の時期なのに」
「暑さに慣れてない人はこの時期でも熱中症になる」
「・・・そうですね。気をつけます」
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