0、出会い

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 彼は大声で私の言葉を遮ると、真っ直ぐ目を見つめてきた。 「そうやって強がって無理に笑うな」  強がって笑っていたことをすぐに見抜かれた。 「あと・・・、買い込むぐらいに服はあんたにとって大事な物だろ?売ったら駄目だ」 「でも、お金ないから売らないと」  俯く私の腕を彼は強く握るので彼を見上げる。 「お金と、・・・家もないよな?」  こうストレートに聞かれると辛いが本当のことだ。私は頷く。  そしてしばらく間が空いたあと、彼はぼそっと呟く。 「じゃあ、ここにいればいい」  私は驚いて彼を見つめると視線を逸らされる。 「ここにいれば。何かあんたのこと放っておけない」  何故かちょっとキュンときてしまった。だがその後の発言にむっとする。 「ホテルとか探すの下手そうだし、探してる間にまた倒れてそうだし」 「・・・私、そんなに弱くないし」 「あと、それも気になる」  私の発言を無視し、彼は私の小銭入れを指差す。 「俺、修理屋だから。そのほつれ気になる」
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