第37話

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「と、まぁこんな感じのことがあった。要するに、俺達兄弟は、俺達の問題解決のために、人殺しなんて出したくないってことだ」 「ここに至るまでの経緯は理解した。だけど私を止めないで。私の復讐と、あんた達の仲直りは別の話。偶然利害が一致する段階があったから手を組んだだけ。そこが済んだ今、もうあんた達と私は無関係者だよ」 「…そういうわけにもいきませんよ。今白草さんがその男を縛りあげて刺そうとしているのは、紛れもなく僕があなたを脱獄させたからなんですから」 「だから… 関係ないって言ってるでしょ⁉︎」  一華は叫び声をあげた。そして、呼吸を少し落ち着かせ、言葉を続けた。 「…菫。あんたも私を裏切るの? それなら、あんたも私の敵。この刃を向ける相手は杉雄だけじゃなくなる。それでいいの?」  青乃介は冷や汗をかき、どう返そうか悩む。それを察した黄助が青乃介の代わりに返事をした。
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