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「こいつのこの行動があんたには裏切りに見えるのか? これはこいつの誠意だぞ」
「…は? 何を言ってるの?」
青乃介は深呼吸をし、少しずつ一華に近づいていく。
「来るな!」
一華は短刀を青乃介に向ける。青乃介は少し怖がるそぶりを見せたが、歩みを止めることなく一華の目の前に辿り着いた。
「白草さん、もうこのくらいでやめてください。あなたは取り返しのつかない罪を犯すほどの悪人じゃない。出所後は僕の会社で面倒を見ますから、このまま刑務所に帰ってください」
「…」
一華は少し黙った後、叫び声をあげる。
「裏切者は… 許したらいけない‼︎」
「白草さん…」
黄助がため息をつき、一華に声をかける。
「…それは誰のための決意だ?」
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