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今日は午前中は、バイトで午後から講義がある日だ。
忘れ物がないか確認しズボンの後ろポケットにスマホをしまい、鍵を持つと
魅波に一声かけて家を出ると最寄り駅まで
の緩い坂道を下っていった。
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静かだ。
空っぽのコーヒーカップをじっと見つめる。
『この家を出ようと思ってるんだ…』
家を出る?
なぜ?どうして?
「…だめだ、止めないとなんとかしないと…」
東がここを出てしまう前になんとかしよう…。
ゆっくりと立ち上がるとテーブルに置いていたスマホを手にとると
ひとつのアプリを起動させる。
「……今日は、少し遠回りなんだね。東」
スマホの画面には周辺の地図に赤い印が映っている。
うっすらと笑うと魅波は、スマホを上に羽織っていたパーカーの右ポケットにしまった。
(今日は、午後から講義のはずだから
それに合わせて家を出よう。
東に悪い虫がつかないように側にいないとね)
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