3/7
前へ
/7ページ
次へ
今日は午前中は、バイトで午後から講義がある日だ。 忘れ物がないか確認しズボンの後ろポケットにスマホをしまい、鍵を持つと 魅波に一声かけて家を出ると最寄り駅まで の緩い坂道を下っていった。 _____ ___ __ 静かだ。 空っぽのコーヒーカップをじっと見つめる。 『この家を出ようと思ってるんだ…』 家を出る? なぜ?どうして? 「…だめだ、止めないとなんとかしないと…」 東がここを出てしまう前になんとかしよう…。 ゆっくりと立ち上がるとテーブルに置いていたスマホを手にとると ひとつのアプリを起動させる。 「……今日は、少し遠回りなんだね。東」 スマホの画面には周辺の地図に赤い印が映っている。 うっすらと笑うと魅波は、スマホを上に羽織っていたパーカーの右ポケットにしまった。 (今日は、午後から講義のはずだから それに合わせて家を出よう。 東に悪い虫がつかないように側にいないとね)
/7ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加