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 放課後、昇降口まで降りると堂島くんが私の下駄箱に寄り掛かるようにして立っていた。「どいてください」そう言っても、彼は聞こえなかったかのように口を開く。 「明日の土曜、空けとけよ。いいな!」 「明日は予定があります」  なんで私があんたの為に予定空けなきゃいけないのよ!   そんな反発心が私にそっぽを向かせたのかもしれない。油断とは得てしてそういう時にやってくる。彼の吐息が感じるぐらいの距離で私は耳打ちされていた。 「断るのは自由だけどさ、バラされたくないよな? だったら言うこと聞けよ」  私はギョッとして堂島くんを見る。「何がですか?」と問う間もなく、堂島くんは昇降口の奥に視線を向けた。絵里や美沙が他の女子数人と連れ立って歩いてくるのが見えた。 「そうだな。どうせならきちんと化粧して男ウケする下着穿いて来い。後、その黒ぶち眼鏡もNGな」 「……」 「返事は?」 「ど、何処に連れて行く気ですか?」  私が辛うじて訊くと、堂島くんは「決まってるだろ。いつかのビンタのお礼してもらうから」そう言って不敵に笑った。
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