妹と、その後

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妹と、その後

「いや、お兄ちゃん・・・・・・何やってんの?」  そこには、。  室内には化け物どころか、ネズミ一匹見当たらない。簡素なベッドと勉強机。普段と何一つ変わらぬ景色が広がっていた。 「──え、結月?」  呆然として立ち尽くす航をよそに、結月は訝しげに眉をひそめた。 「どうしたのよ。急に帰ってきた音がしたと思ったら、下でなにかドタバタしてるし、大声で叫んでるし。ドア蹴破って入ってくるし」  今しがた航が蹴り開けたせいで外れたドアを見下ろしながら、結月が首を傾げる。 「で、本当になんなの?いきなり帰ってきた挙げ句、妹の部屋に乱入してくるくらいなんだから、それ相応の理由くらいはあるでしょうね」  結月は腕を組み、殺虫剤の缶スプレーを持ったまま航を睨んだ。  そこに、足音が響いてきた。部屋の入口に川技が姿を現し、ほっとしたように胸をなでおろした。 「ああ航くん、よかった。妹さんは無事なんだな。『奴』に捕まっても大丈夫だったなんて奇跡だね」
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