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1.
「 … ねぇ! 田村さん待って!
良いからこれ … 」
「 いや … でも …
悪いですから … 」
「 大丈夫! 僕が
ちゃんと言わなかったのが
悪いから …
気にしないでください 」
「 でも … 」
「 大丈夫ですよ!
僕が後で …
会社に請求してみます 」
「 … スミマセン 」
…テクテクテク
「 ぁ … ねぇ?
どうしたの?」
「 うん … 」
「 … いまの田村さん?」
―
私は 偶然 …
スーパーのバックヤードに品出しの
商品 取りに来て て …
… ふたりの話を聴いてしまい
なんだか …
大変そうだから つい …
本人に 訊いてみたけど…
―
「 俺も知らなかったんだけど …
田村さん …
ココ辞めるみたいで …
ユニフォーム … 洗濯でいいのに
知らなかったみたいで …
クリーニングに
出したらしいんだけど …
それが …
… 7千5百円だって云うから
気の毒で …
半分だしますよって … 」
「 … え? で?
だしたの?」
「 … うん 」
「 クリーニング代でそんなに?
ユニフォーム出したのって … 」
「 ぁ … 駅前の あの店 … 」
「 え? 駅前? の?
って! 着物とか扱ってる?
お店 … デショ?
そこに出したの? 」
「 … らしくて 」
「 領収書は? 」
「 あるよ … 」
「 じゃぁ …
そ れ … 見せて? 」
「 … うん 」
―
… べつにそれは このひとの
せいじゃないと思うけど …
聴いたら ほっとけなくて かな …
でも …
きっと このひとは 自分では …
たぶん …
会社に請求できないから …
私が 店長に相談して …
つい …
" なんとかしなきゃって "
思ってしまう …
このひとはそんな人 …
でも … 私 …
… 気づいて良かった!
私には ヤッパリこのひとが 1番
なんだって…
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