3人が本棚に入れています
本棚に追加
/9ページ
そんなとき、Twitterで耀司と知り合った。
たまたま好きなバンドが同じで相互フォローになったが、当時の耀司には恋人がいたし、鹿乃子もそばにいてくれる人は誰でもいいと多くの男性に会っては離れてを繰り返していた。
そんな付かず離れずな年月を重ねていた鹿乃子と耀司だが、急に耀司から、
「話しませんか?」と連絡が来て、通話をすることになる。
「もしもし。こんばんは。すみません、急に。鹿乃子さんのツイート見て、心配になって。
僕みたいな何処の馬の骨かわからないやつが、びっくりしますよね」
「え、あ、、そんな事ないです、ありがとうございます、、」
鹿乃子はその日も父に殴られたこと、苦しい悔しいとツイートしていた。
そんなときに心配してくれた耀司に、
「やっとわたしの王子様だ」とまたしても期待してしまったのだ。
まだ若かったふたりだから夜通し電話した。
殴ってくる父にヒステリックな母、逃げ場の無い田舎、そこから好きなバンドまで、耀司はずっと聞いてくれた。
これに、ばっちり王子様フィルターのかかった鹿乃子は「こんなに親身になってくれるなんて優しい!やっぱり運命の人!」と盛り上がってしまう。今思うと馬鹿だとしか感じないのに。
最初のコメントを投稿しよう!