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ちょっとずつ、力関係は耀司が上になる。
北陸に住む鹿乃子が耀司の住む関西へ遊びに行った際に、
「どこ行きたい?」
(なにがあるかわからない土地だし、耀司のリアクションが怖い)
「、、、、。」
「はあ、いつも俺が決めてんな!」
でも、自分の言うことを聞く鹿乃子を耀司は手放さなかったし、
仲が良い瞬間もあったのだ。
ショッピングモールで試着して、
「可愛い!」と耀司に絶賛されたり、ふたりで歩くときは常に手を繋いだり、
怒られている時間以外は、鹿乃子が求める普通のカップルの幸せなデートがあって、
鹿乃子はそれがあれば少しの恐怖になんて蓋をしたらいい、そうしたら幸せになれる。そう信じ込み、北陸から関西へ27歳になる春に引越すのだった。
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