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秋風が冷たく、上着のジッパーを上げる。目的も無く歩いていると道の向こうから見慣れた三人組が近寄って来た。
「あれっ、お兄さん?」とみーちゃん。
「いや、門先輩?」とさわぼん。
「はたまたフミヤン?」とはっち。
「どれでもいいよ。優莉香は一緒じゃないの?」
「ゆりかりんはまだ自習してます。昨日親と喧嘩して帰りづらいのだと思うんすよね〜」
みーちゃんの言葉に、他二人も頷く。
「門先輩、進学先を反対されたんでしょ?」
「ゆりかりん、その件で親に抗議したって」
俺の沈黙をどう捉えたのか、三人は「仲良しで羨ましいっすね〜」「ウチのと交換して欲し〜」「わかる〜」と口々に喋り、軽やかに去って行った。
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