告白しましょ

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 何となく目覚めて、何となく学校に通って、何となく一日が終わって……寝る。  毎日がそんな繰り返しだ。繰り返しだった。過去から現在、そして未来へ、何となくがずっと進行していくのだろう。  部屋の時計を見やると、日曜の夜、午後九時だった。  俺はあくびを一つ出してから言った。 「あーあ。もう夜の九時だよ」 「そうだな」  俺んちに遊びに来ていた隣んちの康平兄ちゃんは、ゲームを熱心に操作しながら返事した。  それも何となくだ。気のない返事だった。話し相手がそんなだったから、俺も何となく言葉を続けた。 「何となく一週間が過ぎて、何となく休日が終わろうとしていて、また何となく過ぎていく一週間が始まるんだ」 「そうなんだ。生き方さえも、何となくであるね」 「何となく、何となくって俺だけじゃねえよ。クラスメートのみんなもそうだ。別に一人ずつ確認したわけじゃあないけどさ」  何となく俺はそう思っていた。 「俺も、みんなも、一体何が面白くて学校に通っているのかなあ。今ってさ、面白い世界なのかどうかもわかんないや」 「そんな疑問は、青春時代に一度は誰でも口ずさむものさ」  と康平兄ちゃんはキレイに言った。 「さすがは良い大学に通っているだけのことはあるねえ」  康平兄ちゃんの青春時代は一九歳ですでに終わっているんだ、なんて言いたくなったけど、そんな年寄り扱いは黙っていた。  しかし、康平兄ちゃんは言うだけで、その疑問の答えまでは、教えてはくれなかった。ただ念を押すように、一言。「つまらない世界だと思い込むんじゃないぞ」――と。 「まあ、面白い世界ってどういうものか、いつか知ることができるのかな?」  康平兄ちゃんからの返事はなかった。  さて、そろそろ寝ようかなと俺が思ったその時、部屋の窓がガラリと勢いよく開けられ、女の影が部屋に飛び込んできた。そいつはすぐにコケた。 「あつつ……」  そいつはおもむろに立ち上がり、俺を指さして言った。
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