告白しましょ

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「その疑問の答え、私が教えてあげましょう」  そいつは俺んちの隣の家の康平兄ちゃんの妹の、ののののが連なるが、マフミで、俺の幼なじみの一人でもあった。  康平兄ちゃんは、自分の妹が二階の窓から飛び込み参上してきてもまったく気にもせず、ゲーム画面から目を離すことはなかった。話を続けろって無言の指示であると俺は受け取った。 「そ、それじゃあ、聞くけど?」  俺は何となくって気分でマフミに問いかけた。 「面白い人生、世界って何だ?」  それなら「わかる」とマフミは言った。  マフミは一枚のカードを俺に見せつけて言った。 「見なさい。この免許証」 「原付の免許証か。先日取ってきたんだっけ? 都合よく平日が休校日の時にさ」 「そうよ。これよ」  マフミは原付の免許証を俺に見せた。 「ふうん。それを手に入れて、それが面白い人生って答えになったの?」 「まあ。びっくりするほどね。たかが原付の免許取ったくらいでとか言うけどさ、それは生まれて初めて誰かに認められたって気持ちだったのよ。そういう気持ち、わかる?」 「うーん? 難しい高校に受かった、そこの生徒手帳をもらった時とか。大会で優勝した、そこで賞状をもらった時とか――そういう時に感じる気持ち?」  俺からの問い。 「え、えーと?」  マフミは言葉に迷った。ゲーム画面から目を離さずに、康平兄ちゃんが代わりに答えた。 「それらは高い山の頂上に立った時の気持ちで、達成感ってやつだ。次は別の山を目指すという区切りでもあるな。マフミの言う、生まれて初めて免許証を手に入れた時に感じた気持ちってものは、好きな相手に告白をして、オーケイと言われた時の気分と同じなんじゃないのかな」 「――と、康平兄ちゃんに教えられた後だったんだな?」 「そ、そういうこと!」 「マフミは、男の子に告白したことがあるんだ?」 「うっ。はあ? 男の子? そんなことあるわけないじゃない! きっと同じだ。そうに違いないと思えたの! こンの、鈍感!」
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