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病んでいるみたいだったが辰巳ならアリかもしれない。
「俺がそれしたらストーカー認定されそうだけど、お前なら快諾して貰えそう」
「本当に?」
「おう。俺もドキドキしたし」
「そっかよかった」
彼は安心したかのように笑うと、俺の肩を引き寄せた。人肌が俺を包む。いい香りがする。俺は辰巳に抱きしめられていた。離れようと身を捩ると唇に柔らかいものが当たった。
「逃げないで」
「日向を愛してる」
「誰にも触れないで」
「触れさせないで」
「俺だけのものになって」
「俺がいないと生きていけない身体になって」
強く抱きしめられ、動くことができない。
「辰巳待って」
「待たない。日向、快諾するって言ったよね。俺を好きになるまで離さないから」
首筋に痛みが走った。何度も唇や頬、首に彼の感触を感じる。
「何の冗談だよ」
「本気だよ。ずっと昔から好きだ」
耳に息が当たり、ゾワゾワと体が震える。抱きしめる力が更に強くなった。
「好きだ、辰巳のことが好きだから」
どうか離して……。最後の方は声が掠れてしまった。少し辰巳の力が緩むと彼は額を合わせた。
「本当に?告白の相手よりも?」
口調は柔らかいのに目には狂気が感じられ、怖いのに体が熱くなる。
「俺がその人をどう処理するか考えてたから言ってる訳じゃないよね」
「何それ。俺は最初から辰巳に告白しようと思ってたよ」
彼の目に涙が浮かび、頬を染めて微笑んだ。
「ありがとう。大好き」
手は離されることはなく、またキスをされたがもう怖さはなく不思議と安心感に包まれた。
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