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竜騎士トルルク
風に靡かせるは黒き長髪。
異民族風の衣を身に纏う、傍らに純黒の竜と逞しき竜を侍らすは、長槍と曲刀を携えし者。
血が如く真紅の瞳を濡らし眼に映すは地平線の彼方。
何人に縛られず、何人も縛らることが敵わず。
己が欲と心が赴くままに世界を巡る彼を、ヒトは様々な名で呼ぶ。しかし、最も有名な呼び名は一つしかあるまい。
戦場の人龍、災禍の竜騎士トルルク。
「面白そうだ」の一言で世界各地の戦場を好き勝手に掻き乱し、「うざかった」の一言で盗賊団をアジトごと吹き飛ばし、「旨そうだ」の一言で都市すべての酒を飲み干す自由奔放傍若無人な振る舞いは、さながら生きた災害とも忌むまれ畏れられた。
だが同時に、歴史上統べてのドラゴンライダーの頂点に位置し、歴代最強の竜騎士であることは間違いない。ドラゴンを手懐け、龍をも従えた竜騎士の王、竜騎士帝とも人々に呼ばれた。
そして彼の竜騎士の傍らには〈紅き竜星〉という女戦士もいたそうな
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