夜明けのない森

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夜明けのない森

二日目、深夜  「寒くてあまり眠れなかったよ、焚き木も燃え尽きたし移動しないと」  「火がある内はあったかいのにね…」  「仕方ないよ火の番してくれる人いなかったんだし、」  「お腹…すいてない?」  「すいてないよ?」  「僕もだけど…おかしいなぁ…」  「まぁいいや…」     「歩いていくたびに家がなくなってくように感じるよ、ルビア」  「道もなくなってるね…」  「……」   「…あれ?最初来たときこんな木々だったっけ?」  「雑木林みたいだったきがするけど」  「そうだよね、でも戻っても雪人がいるし早く抜けよう」  「この街、いや村か、村のことしってる?」  「多少ね…ここは元々鉱山でね、ここにしかない鉱石がとれることから人が集まってたけど…」  「集まってたけど?…」  「崖っぷちについたね…」  「あ、」  「進むの?」  「進むしかないよ、これくらいなら僕でも渡れる」  「私は怖くて…わたれないよ…」  「幹、幹はあるね、」  「みき?」  「これ船のマストに結ぶやり方なんだけどこれすると命綱つくれたり、物を運ぶときに楽になるんだ」  「よくしってるね…」  「はい、命綱の完成、この紐をもってねルビア。」  「えぇ…」  「……渡れたわね、」  「ロープを解いて…と、」  「どこにも家がないね」  「当然よ、街抜けたらそこは森だもの」  「雪人きたらどうするの?」  「…逃げ切るしかないわね…」  「……そっか、今日は生きて帰れるかな、…」  「わからないわ…」  「その時は多分僕はルビアを置いて逃げると思うよ…僕はよわいから…」  「私に頼ってくれるの?」  「一人じゃなんもできないもん、だから僕は弱いんだ…」  「期待に答えるわ…」  「ごめんね…ルビア」  「なでなで…こわくないよ…」  「…!!」  「大丈夫よ…おねぇさんが守ってあげる…」  (年下?なのかな…こんな可愛い子に弟のように撫でられるのは…すこし緊張するな…) 「歩けば歩くほど雪が深くなって、うごきづらい…しかもつめたいし…」  「頑張って…ザードくん」  「あれ?こんなところにたてものが」
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