安曇家の兄と妹

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「...役に立つかどうかは保証しませんよ?」 佐川くんが渋々、という様子で答えた。 「...み、見に行ってもいい?」 思わず口にした私に答えてくれたのは、 藤崎先輩。 「見るんじゃなくてとーこちゃんもするの。女子も足りないから助っ人してね。じゃ、放課後来てね?」 取り残された二人は。 どちらからともなく、笑った。 「なんだか変なことになっちゃったね」 「よろしくね」 佐川くんが手を差し出した。 ぎこちなく、私もおずおずと手を重ねた。 予鈴が鳴り、教室に戻るあいだ、ずっと手の熱を感じていた。
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