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佐川くんが剣道というのは意外だ。
里菜は瞳子に聞いてからそれとなく目で追っていた。
綺麗な顔をしているが
冷たそう。
生物部とか天文学部とか言われた方がしっくりきそう。
剣道とかスポーツ全般似合わないような。
細いし。
安曇先輩も背が高くてスラッとしているけど、腕とか肩幅がしっかりしている。
好みかどうかはともかく、筋肉質の男らしい体型だと思う。それを見慣れているなら、もっとそっちよりが好きになるんじゃないか。
まあ、目が肥えるのは仕方ないだろう。
佐川くんと瞳子って身長が同じくらいじゃないだろうか。
そんなことを思いながら見ていると、何度か目が合う。
こっちが見ている時に、佐川くんも見ている。
しかも瞳子が見ていないときに。
さりげないように視線を少しずらしているけど。
佐川くんも、瞳子を見ているから隣にいる私だけが気づいている。
そういうことか。
でもね、佐川くん。
この子、鈍いのよ。
にっこり笑ってやると、睨まれた。
意外と根性ありそうね、あいつ。
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