酷薄な告白

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朝、こんな手紙がロッカーにあった。 『昼放課に屋上に来てください。』 なんて、期待するのが乙女の心というものだろう。 私もその一人である。 そして、昼放課に屋上に行けば、一人の男子が待っていた。 「三笠(みかさ)さん。待ってました。」 「あなたが私をここへ呼んだ人ですか?」 「はい。俺です。」 物腰が柔らかく好印象な彼のことは全く知らず、どうかわそうか迷っていた。 「どのような用件で呼んだんですか?」 「実はですね。俺、あなたに伝えることがあって。」 ああ、どうしよう。人生初告白されるのが中学生なんて、私、みんなより進んでない? 「聞いてくれますか?」 それと同時に肩をつかまれる。 本当にその時までは期待していた。 告白されるんだって。 私だって少女漫画のヒロインになれるんだって。 そう、信じてたのに。 物語の設定は違っていて、私の期待していた方向とは真逆で、 何もかもがおかしくなった。
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