1日目

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(なに、してるの?) 「!?」 生命の気配が欠片もしない暗い海岸をしばらく歩き、砂と海水をサンプルケースに入れていたショウは、背後から聞こえてきた── いや、テレパシーのように頭に伝わってきた "声" に、思わず拳銃を抜いて振り返った。 ── 原住民、か? ショウの瞳に映ったのは、ふたかかえほどもある大きな岩に腰掛けた1人の少女だった。歳は、地球人で言えば15〜16歳くらいだろうか?白磁のような肌にぱっちりとしたエメラルドグリーンの瞳、腰まで届くような深緑の髪が綺麗にマッチしている。地球の基準でいけば相当な美少女だ。ショウが着ているようなゴツい宇宙服ではなく、半透明の薄い衣みたいなものを身にまとっているが、視界が暗くてよくは分からない。 とにかく何か言わなければ、とショウは不安を悟られないよう気を付けながら、口を開く。 「や、やあ、俺は遠い星からやってきた探検家で名前は "ショウ" だ。君は、えーと……。」 君はここの住人?ここで何してるの?他に仲間は?どんな家に住んでるの?食べ物、生活は…… ── いくつもの質問が頭に浮かんだが、ショウが実際にできたのは構えた拳銃を下ろすことくらいだった。 (私はリファナ。ここで、仲間たちと "夏" を待っています。) 静寂の中、少女──リファナの思念がショウの脳内に流れ込む。 「夏を……待ってる?」 (ええ。100年に1度、ここには "夏" が来ます。私たちはそれを楽しみに、光と雨を浴びながら暮らしているのです。) 「なるほど……。」
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