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なんだかこのまま帰るのも惜しいね
そう言って妃菜子はスマホに指を滑らせる
夜パフェのお店みたいなの!と画面を見せびらかした
みんな個性溢れるメニューを注文し
和気あいあいと話を続けた
睦がパフェを食べるところは珍しかったけれど
なんだかそれも新鮮で楽しかった。
帰り道はみんなバラバラで
妃菜子と香帆李は方向が同じだったため同じタクシーに乗っていくことになった。
香帆李「なんかさぁ、
帰るまでみんなと目が合わない感じしたよね」
妃菜子「そうね……
やっぱりなんか寂しかったのかな」
香帆李「私と真白ちゃんが妊娠したのも含めて
会う機会減るからね」
妃菜子「し、私が居ないと
そもそも皆集まらないでしょ?」
高校時代の唯一の思い出
部活仲での最高の思い出
クラスや学年に友人が少なかった我々の
唯一楽しくて美して綺麗で深い思い出
多少歪んでもくすんでもヒビが入っても決して崩れることはなかった。
それはリーダーなどが居ないこのグループに
妃菜子がいたから。
妃菜子「あ、じゃあここで、ばいばい!」
香帆李「うん、ばいばい……」
またね!来月ね!来週ね!明日ね!後でね!
全員が在校していたあの1年が永遠の様に長く感じて瞬きのように短かった。
またねすら言えない
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