本編

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名だたる有名ブランドをはしごして、キラキラした空間を行き来する。 服を見ているときだけは幸せだ。 ワクワクが止まらなくて、あれもこれもと手が伸びる。 「すみ、すみ!」 「っあ、はい。」 「何度も呼んだのに夢中になってただろ?」 「うん、ごめん。」 「まぁ可愛いからいいけど。」 「すみ、さっき選んだやつ試着してこい。似合うやつだけ買ってやる。」 「う、うん。」 試着をしてはこの人に良いとか悪いとか判断してもらう。結局、好きなものですら決定権は持ち合わせていない。 「じゃ、そろそろ飯行くか。」 そのまま行きつけの料亭に足を運ぶ。 車のトランクは今日買ってもらった服たちで埋め尽くされていた。 いつもの席に案内されてすぐに料理が運びこまれた。 普通なら向かい合うはずの机に当然のように横並びで料理が並んでいく。 「すみ。」 呼ばれてキスをされる。同時に口に何か入った。そのまま喉まで運ばれて飲み込むしかない。 「っなに?」 「ちょっとだけ素直になれる薬だよ。」 「くすりって…。」 「可愛いすみに危ないものは使わないから安心しろ。まぁ、この国では違法かもな。」
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