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「ちょっとだけ待ってろ。」
この人はスーツが濡れるのも気にせずシャワーの温度を調節し、湯船を張り替え、浴室に暖房を付けてくれた。
「ごめん、ごめんなさい。」
「すみは本当に真っ白だから、素直なところが好きだよ。」
「うん…もう、いい?」
身体が温まれば全身に血が巡り、さらに刺激が恋しくなる。
身体の熱を取りたくて、解放したくて、縋る相手はこの人だけだ。
「素直すぎるのも罪だな。」
「はやく…早く、、だめ…?」
「すみ、綺麗だ。可愛いよ。」
「きれんがいい…。」
頭が混乱していた、心だけは夢だけ見つめたかったのに。
俺はこの時初めてこの人の名前を呼んだ。
「名前…。」
「っきれん…我慢、できない…。」
濡れたスーツを脱ぎにくそうにしながら現れた輝蓮の肌には蓮の花が咲いていた。
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