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1.款冬華 (かんとうはなさく)
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わたし:まず3つの句、それぞれに「大寒」を詠み込んでいきます。
大寒や工事中の誘導棒
なぎさ:寒い時も暑い時も、路上で棒を振ってる人って、ホント、ご苦労様だよね。
面接日大寒と聞きパンツ履く
わたし:面接にはスカートの方がいいの? これ下着増やしたって話じゃないよね?
なぎさ:食いつくなぁ。あんたも面接の時には、視線の遣りどころとか、服装で点数変えてないかとか、気をつけた方がいいんじゃないかな。
わたし:なんかすみません。
布団出る三つの理由大寒や
なぎさ:何がすみませんだ! 一生布団の中にいろって。
わたし:款冬華 (かんとうはなさく)とは、フキノトウの蕾が出始めるという意味だそうです。
なぎさ:あのさ、フキノトウってフキの蕾の部分じゃないの? 蕾×蕾?
わたし:すみません! 安易にコピペしてました!
なぎさ:謝らなくていいから、春の季語のフキノトウで冬の句を詠んで。
わたし:いぢわるだぁ。
蕗の薹グラタンに添え温まる
なぎさ:季語がないような。でも、春の句ではないかな。
わたし:突然ですが、水戸街道を辿ってみようと思いまして。写真は江戸川べりの葛西神社です。ここは7月にも行ったことがあります。
厳寒や昔の人の咳払い
なぎさ:江戸時代の文政3年(庚辰の歳、西暦1820年)にこの神社の氏子たちがおカネを出し合ってこれを奉納したんだね。
わたし:力石と言って、力自慢が持ち上げたんでしょう。
なぎさ:石好きだねー。ともかく相変わらず移り気だね。ぼっち線はやめたの?
わたし:やめてないです。ただ行くだけじゃつまらないかなと。
なぎさ:まあ、水戸街道を行けばぼっち線がありそうだもんね。
わたし:これが水戸街道です。
なぎさ:千住には小塚原処刑場があったね。7月に偶然、回向院を見つけた。
わたし:ここで非業の死を遂げた吉田松陰とその弟子たちの墓があって、手向けの句を詠みました。
遠き日の癖を真似たり土用波
なぎさ:先生の亡くなった年を遥かに越えても、ちょっとした癖が思い出され、心が騒ぐってところかな。
わたし:新宿(にいじゅく)跡はなくなってるらしいです。
で、代わりにこれを。江戸川を渡るところにあった関所を記念して、東金町ポンプ場の横に、2003年に建てられています。
なぎさ:やっぱり古い方がいいかな。
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