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——アオくん。だいすき。
小さな頃から、ずっと君が僕に言ってくれていた言葉。
大きくなって、それが段々と恥ずかしくなってきた君はいつからか、「アオ」とだけ言うようになった。
『だいすき』の響きを込めたその声は、僕の胸をどうしようもなく震わせて、そしてささやかな切なさで絞る。
君の幼い『すき』の言葉を無邪気に受け止めていられたのはつい昨日のことのようなのに、いつどこで変わってしまったのかは僕にも分からない。
ふと目線を上げれば、ハンガーに掛けられた君の学生服が目に入る。
中学校にいってもこうして一緒に眠ってくれる優しさは僕を幸せにするけれど、同時に辛くもさせているんだって、知ったら君はどう思うだろうか。
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