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暗い部屋の中、ふと目覚めた僕は、闇に慣れてきた目で君の顔を見た。
長い睫毛を伏せて静かに寝息をたてている君は、まだ頰の線に少しだけ幼さを残している。
柔らかさの薄れつつあるその曲線を目で辿りながら、僕は昔に想いを馳せる。
出会いは君が三つの時で、それから僕らはずっと一緒。
まるで兄弟みたいに側で過ごして、君の楽しい顔も、悲しい顔もたくさん見てきた。
やがて背が伸びて、声が少し低くなって、皆んなの前では泣かなくなった君も、僕の前だけでは、こっそり泣き顔を見せてくれたりもした。
僕はいつの間にか、そんなことに少しだけ、自分が特別だって気持ちを持ってしまっていたんだ。
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