雲になりたい

1/1
3人が本棚に入れています
本棚に追加
/7ページ

雲になりたい

 すると朝陽が言った。 「僕も雲になりたい。雲になってお月さんに行きたい。」 「お月さんか?・・」 私はそう呟きながら考えた。私の孫たちは次に何を突っ込んでくるかを考えた。きっとどちらかが『月やったらロケットの方がエエんちゃうのん?』とか、きっとこのロマンを潰しに来よるかも? 今度は翔が少しむくれた様子で言った。そら、来よったで! 「お兄ちゃんズルいわ、雲になったらエエって言うたんは僕やのに!」 エッ!そこかいな。誰が言い出したかで一悶着(ひともんちゃく)かいな。 「よっしゃ、分かった! それやったらこうしょ、まず爺ちゃんが雲になって、その雲に一緒に乗るんや、それから行きたいとこを順番に回るんや、どないや⁉」 「それエエなぁ!」 「それやったら僕も乗れるんやろ⁉」
/7ページ

最初のコメントを投稿しよう!