【1】キセツ、シズカに訪れる

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【1】キセツ、シズカに訪れる

私が、この世の運命を握っているという事実は……絶対に秘密。 木瀬津(きせつ)シズカ、16歳。 マンションで一人暮らしをする、普通の女子高生。 ……だったのだが。 突然、この世にとって重要な役割を一人で担う事になってしまった。 ある日の朝、ベッドで目覚めると、そこには4人のイケメンがいた。 ベッドの前で、シズカと同い年くらいの少年達が4人横に並び、こちらを見つめている。 これがどういう状況なのか、寝起きの頭では理解できない。 ……これは夢?イケメンに囲まれたいという逆ハーレム願望の表れ? ……そうよね、でなきゃ、これって、ただの不法侵入…… シズカの自己防衛本能は、これは夢だと決めつけようとしていた。 しばらくの静寂の後、イケメン達が勝手に自己紹介を始めた。 まず、ピンク髪の穏やかそうな少年。ほんわかした雰囲気だ。 「シズカちゃん、初めまして。僕は春を司る神、ハル。よろしくね」 (春を司る、髪?確かにピンク髪は春っぽい……) 次に、赤髪に褐色肌の、健康的で活発そうな少年。 「よぉ、オレは夏を司る神、ナツ。よろしくな!シズカは可愛いな!好きだぞ!」 (いきなり呼び捨て!?(ナツ)かれた!?) 次に、オレンジ髪で片手に本を持つ、眼鏡をかけた知的な雰囲気の少年。 「シズカ様、初めまして。私は秋を司る神、アキ。以後お見知り置きを」 (年齢の割に口調が紳士…本を持って…あ、読書の秋!) 最後に、色白で銀髪の、控えめで大人しそうな少年。 「ボクはフユって言うの。よろしくね、シズカさん」 (声が小さい……気も小さそう。しんしんと降る雪みたい) ハル、ナツ、アキ、フユ。全員合わせて、春夏秋冬。 ……うん、分かりやすい。 そんな脳内ツッコミを続けるシズカだが、ふと我に返る。 「いやいや、あなた達、なんでいきなり私の部屋にいるわけ!?」 ……しかも寝起き、乙女の寝室!! これが夢ではなく、彼らが神様でなかった場合は、大変な事態だ。
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