【9】キセツ、シズカに想う

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【9】キセツ、シズカに想う

シズカが寝ているベッドの前で、ハルが心配そうに言う。 「シズカちゃん、どうしたんだろう」 「アキ!お前、分からねえか!?」 「少々お待ちを……」 アキは分厚い本を両手で広げて、何かを調べていた。 「分かりました。これは季節痛、天気痛、気象病というものですね」 それは、気象の変化によって起こる体調不良だ。 全く異なる季節の気候と温度の環境の中を、4日連続で過ごした。 自律神経の乱れから、あらゆる不調をきたす。目眩もその1つだ。 「じゃあ、それって、ボクたちのせいだよね……」 フユが目を潤ませて3人を見る。すると、ハルが頷く。 「僕たちが、シズカちゃんに無理をさせたんだね」 「なぁ、オレたちで協力して、シズカを看病しようぜ!」 「そうですね。いがみ合っている場合ではありません」 「みんな、一緒に頑張ろうね……」 こうして共通する想いと共に、不仲であった神様たちは団結した。
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