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その2
日付は変わって水曜日。
今日は月曜日に買った材料を使ってクッキーを実際に作る日。
午前中の授業の時間はうわの空で、先生の話なんか入ってこなかった。
時計ばっか見てたし。
早く放課後にならないかな…
午前12時51分。
昼休み。
屋上で莉子とお弁当を食べていた。
私はサンドイッチ片手に遮光板で太陽を眺めていた。
「今日どうしちゃったの?」
「え?」
私は莉子の方を見た。
莉子は箸を動かす手を止めてこちらをじっと見ている。
「ボーとしてるなと思ったら、何回も時計ちらちらみたり、ニヤニヤしてるし。」
「私ニヤニヤしてた?」
「してたよー。なんかキモかった。」
「えーうそー」
そんな周りの人が見てわかるくらいひどかったのだろうか。
「なんかいいことあった?」
「いや部活が楽しみなだけ。」
「うちの部活気に入ってもらえた?桃花に声かけてよかったわー。」
莉子は笑った。
「今日クッキー作るからね。エプロンちゃんと持ってきた?」
「もちろん。」
私は頷いた。
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