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本当に、人とは想像力豊かな生き物だ。
男女が二人で無邪気に喋っていれば、それだけで恋仲を疑われる。二人で一緒に帰ろうものなら、それこそ事実のように言われる。
周囲の目だけではない。相手の男子もすっかりその気になる。噂されることを表面上はやれやれと否定しながら、心では満更でもなさそうに受け取っている。違うのだから、違うと投げ返してよ。私がひとり否定しても簡単には信じてもらえないのだった。
今ではもはや、それを利用することでこれまでの損失を補おうとしているのだから、却って都合がいいのだが。
その点、諒太は私に靡かなかった。彼はいつも男子の輪の中にいて、他の男子と同じように口を開けて笑ったり、前の席の男子と騒いだりしていた。違うのは、女子に変に絡まないところだった。彼は別に女子と話せないわけではない。特に同じ書記係だという守山さんとはSNSでもやり取りする仲らしい。
だからこそ、彼が羨ましいのだ。
私は彼女と去年同じクラスだった。入学式で隣に座った女子。それが彼女だった。
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