懐かしさと揺れる真実

2/4
前へ
/12ページ
次へ
妃菜子は東京からの帰省で1つ済ませたいことがあった 2人で話をするってなった時、妃菜子が永遠に悩んでいた事、地元に置いてきて見ないふりをして離れたかったことを解決して 前に進むというもの そのためのエンディングは3つ お互いが認めあって、分かりあってそれを乗り越えて仲直りのような、蟠りを無くす ハッピーエンド お互いが非難しあって疑いを深めて恨みを込めて戦って傷ついて許せないバッドエンド そしてお互いの望む未来、トゥルーエンド マルチエンディング方式で進む物語の結末は慣れたゲームと違って1つしか選べない 妃菜子はひとつ疑問を抱えていた その疑問とは当時の1番の深い恨み これを聞き、望み通りの返答を受けて納得する。 妃菜子「言いたいことは沢山あるよね 」 そこを皮切りに溢れ出す懐かしい話 陽向「当時2人は高校生とかでお酒を交わして話すことなんてなかったから……ね」 妃菜子「そう、それで私ね、今日聞きたいことあったの」 急に話すには酷すぎるそれを序盤に打ち込みエンディングに向けて話し方を、内容を、行動を、発言を変える為 妃菜子は強い眼差しで陽向に質問した。 妃菜子「結局最初に抱いたのは誰なの?」 陽向「ッ……」 驚いたような、呆れたような でも少し焦った表情が浮かんだ 初めてのキスも、その全ても貴方のものよ。 その言葉は幼い妃菜子にとってあまりにも美しく健気で大切なものだった だからこそ3度浮気した彼に疑いがある 初めてとは言っていたけど もしかしたらお互い初めて……なんてそんな都合が良くて美しい思い出なんて存在してなくて 19歳からの4年間自分一人が浮かれただけの都合が良い記憶なんじゃないかって 当時は素直に聞けなくて今まで引きずっていたそれは重くのしかかり心に鍵をかけるのは容易い程だった この事だけが心残りかと言われるとそうでは無いけど、全て捨てるためには必要なポイントで、ここから様々な話を広げられるトリガーだと思っていた。 初めてのキスは私と付き合う前に仲が良かった女の子、初めての体験は浮気相手 だから浮かれてたのは自分だけ 一人で滑稽なほどこだわって忘れられないの そんな惨めな私だから貴方を忘れたくて上京したのよ その全てを伝えた時貴方はどんな顔をする?
/12ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加