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「……初めまして。白籏(しらはた)と言います」  その笑顔がどれほど相手の胸をときめかせるのかを自覚していないのならもはや、――罪だ。  このひとの笑みは魔性で。そこらじゅうの女のこころを、わしづかみにする。 「一課に入って不安なこともあるかもしれないけれども。……ぼくが、出来る限りサポートに入るので。三宮(さんのみや)さんが、安心して働けるよう、環境を整えたり、話を聞いたり……させて頂きますので。どうぞよろしく」  あ、そうだ、と茶目っ気たっぷりに笑った先輩は――  屈んで、目の高さを合わせると、上目遣いで声を潜め、 「――ぼくもT大卒なの。マウント取ってるわけじゃないけど……院卒」
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