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「…あ、ありがとう」
もっと自然にお礼が言いたかったのに、なぜかぎこちなくなってしまう。
「よし!じゃあ早く行こう!もうすぐ着くから」
ぎこちなさを気にせず、祐くんはフッと笑って言った。
その後、祐くんの道案内で、私達はすぐにお店に着くことが出来た。
今日のお店は、バルのようなおしゃれなお店だった。席は全て半個室で、落ち着いて食事が出来そうな雰囲気だ。また、テラス席もあり、希望をすればそちらでも食事が出来るそうだ。
今回、私達は中で食事をすることにした。
案内された席に着き、向かい合って座った。その後、飲み物と食事をいくつか注文し、ようやく一息ついた。
「祐くんて、素敵なお店を見つけるのが上手なんだね」
まだ2回目ではあったが、前回と今回、両方とも素敵なお店に連れてきてもらっていることもあり、そう言った。
「え?そう?」
「うん。だって、この前の所も素敵だったし…」
そう言いかけたところで、まずは飲み物が来た。今日は、お店のおしゃれさもあって、2人とも最初はスパークリングワインにした。
「とりあえず飲もっか」
「うん」
私達は乾杯をすると、グラスに口を付けた。
ほのかに甘く香る果実の香りに、シュワッとした炭酸が心地良い。
「わー!これ、すごく飲みやすくて美味しい!」
「うん、これ美味しいね。あとでまた頼んじゃおうかな」
「あ、私もそうする!」
「じゃあ、あとで2人分頼もう」
そんな会話をしていると、今度はシーザーサラダや鯛のカルパッチョなど、食事が運ばれてきた。
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