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繋がる気持ち
デートから1週間後。
この1週間、仕事のときはなるべく切り替えるようにしているものの、ふとしたときに祐くんのことを考えてしまっていた。
連絡は相変わらず取り合っているし、電話も今週は一度したけれど、終始ドキドキしていて会話に集中出来ず、祐くんにも心配されていた。
祐くんのことでドキドキしているというのに、当の本人に心配されるとは…かなり重症な気がしている。
恋愛経験が少なすぎるから、拗れている感じは否めないけれど…。
堪らなくなった私は、ひとまず史子に連絡し、相談に乗ってもらうことにした。
史子は二つ返事でOKしてくれ、時間をかけてじっくり聞きたい、とのことで、うちに来てくれることになった。
「美織ー?やっほー!来たよー」
夕方、手土産にお酒と生ハム、チーズを持って、史子がやってきた。
「史子…めちゃくちゃ飲む気満々じゃん…」
「え?だって、この方が話がしやすいでしょ?」
呆れる私を横目に、史子はケタケタと笑っていた。
ひとまず史子に家に入ってもらい、私は夕飯の支度をした。支度、と言っても、急なお願いになってしまったので、予め頼んでおいたピザと取り分け用のお皿、グラス、手拭きを準備するだけだけど。
「ごめんね、何か作れれば良かったんだけど」
「いいって。こっちも急に今から行く!!なんて言っちゃったし」
謝る私に、史子はそう言った。
その後、ひとまず私達は史子が持ってきてくれたお酒をグラスに注ぎ、ピザの箱を開け、生ハムやチーズも開けて、いつでも食べられるようにした。
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