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「いや…まだ決まったわけじゃないよ?それに仮に付き合うことになっても、史子とも遊ぶからね!」
「美織ぃっ!!」
史子は嬉しそうに私に抱きついた。少し酔っ払って来たようだ。
その後も色々話を聞いてもらっていたら、かなり遅くなってしまったため、この日、史子はうちにそのまま泊まっていった。
***
次の日。
朝、史子を見送った後、日曜だったため、私はゆっくりと家事をした。
お昼頃になって、スマホの着信音が鳴った。
祐くんからのメッセージだった。
『おはよう。今起きた。美織は何してる?』
実際に会い始めてからも変わらないやり取り。
時々、告白されたのが夢だったんじゃないかと思えてくる。
『おはよう。ゆっくり眠れた?私は今からお昼ご飯を作るところだよ』
そう返すと、すぐに返信が来た。
『何作るの?』
『うーん、今日はきのことツナの和風パスタとサラダかな…』
冷蔵庫にはしめじと、タッパーに入れておいたツナ缶の残りがあり、パッと思い浮かんだ献立を送った。
『え!うまそう!俺も食べたい!』
本気なのか冗談なのか。なかなか見定めるのが難しい。
いつもなら、じゃあそのうちね、とか、今度ね、くらいで留めて置くのだけれど、この日何を思ったか、祐くんの反応を見てみたくなって、こんなことを言ってしまった。
『じゃあ、食べに来る?』
今日は日曜だから、週末の方が忙しい、と言っている祐くんが、実際に食べに来るとは思わないからこその発言だった。
しかし、予想外の返事が来てしまった。
『…え、いいの?』
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