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「でも本当は、私も前から祐くんのことは気になっていたの。毎日のように連絡を取り合っているからだって思っていたけれど、そうじゃなかった…。連絡の頻度が少なくなったときは寂しかったし、電話で声が聴けたら嬉しかったし、この間の土曜日のお出掛けだって、すごく楽しくて、この時間が続いたらいいのにって…」
「美織…」
「今日も私のご飯、美味しいって食べてくれてたのもすごく嬉しかったし、さっきも…全く怖くない、と言ったら嘘になるけれど、怖さより恥ずかしさと嬉しさの方が上で。…変、だよね…短期間にこんな………」
すると、祐くんは再び私を抱きしめた。
「…全然、変じゃない」
祐くんは、きっぱりそう言い切った。
「むしろ、俺は嬉しい。美織がそういう風に思っていてくれたことが、本当に嬉しい」
「祐くん…」
止まりかけていた涙が再び溢れ出す。
「私、祐くんのことが好き…」
自然と言葉が出た。本人を前に言葉にしたら、さらに自分が祐くんのことを好きだと言うことを実感した。
「美織…」
「ちゃんと気付いたのが昨日だったから、まだあまり自分の中で整理出来ていないけれど…でも、私…」
言いかけて、唇を塞がれた。私は驚いて、動けなかった。
やがてそっと離れると、祐くんは私を見つめた。
「美織、好きだ…好きだよ…」
そう言って、再びキスをした。その後、角度を変えながら、何度も口付けを交わす。私は嬉しさと恥ずかしさでいっぱいで、されるがままだった。
何度目かのキスの後、祐くんが少しだけ離れた。
「美織…顔、真っ赤」
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