598人が本棚に入れています
本棚に追加
「あっ…祐、くん…」
初めての刺激に、だんだんいけないことをしている気分になって、身悶える。
「美織…」
艶かしい瞳で見つめられながら、名前を呼ばれ、ゾクゾクと感じたことのない刺激が身体中を駆け巡る。再び唇を塞がれると、今度は口の中に、祐くんの舌が割って入ってきた。
「んふぅっ…んん…」
どうするのがいいのか分からず、ただ声を漏らすことしか出来ない。
「美織…この先も初めて?」
唇が離れ、耳元で祐くんが囁く。低く掠れた声にビクッとしながら、私はコクンと頷いた。それを見た祐くんは、嬉しそうにフッと笑った。
「もう一度するから、美織も俺と同じようにして」
「え…?」
戸惑う暇も有無を言う暇もなく、祐くんは再び私の口内を犯し始めた。同じようにしてと言われても、恥ずかしくて祐くんのように激しく出来ない。私は恐る恐る自分の舌を動かし、祐くんのそれに絡めた。
私の反応を見た祐くんは、一度唇を離し、
「ん、上手だよ…」
と言って、ぎゅっと私を抱きしめた。私はすっかり息が上がって、祐くんの腕の中で、呼吸を整えようとしたけれど、収まるどころか、抱きしめられていることで、祐くんの匂いや体温を間近で感じて、身体の中で、何かが疼くような感覚がした。
「あっ…」
小さくビクッとなる。そしてそれは祐くんにも伝わってしまった。
「美織?」
少し驚いたように声をかけられる。そして、急に不安そうな表情になった。
「ちがっ…ごめん、なさい、だいじょ…ぶ…」
私は必死にそう言った。初めてのことに戸惑ってはいたけれど、嫌ではなかった。
最初のコメントを投稿しよう!