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「……」 フタリが無言になった、ちょうどその時です。 「百均でさ、あれ買ってきてくんない?」 「あれ?」 「電話の横のメモ用紙よ」 「あー、あれか。百均だよね?」 「そう。お姉ちゃんの子どもがほしいって言ってたの忘れてたわ。今度の日曜日に来るからさ」 「はいよ、じゃあ部活の後買ってくるわ」 太郎と太郎のお母さんの会話が、フタリには届いていました。部屋のドアが開き、太郎が財布の中身を見てみると、 「1000円札しか入ってないや。崩すと重くなるなあ…。あ、そういえば!」 と、貯金箱を机の上で振ってみます。フタリは突然のことに思わず声をあげてしまいました。 ーチャリチャリン 「ちょうど110円!今日はついてるかもしれない!」 ギュっと握られたフタリは、太郎のポケットに一緒に仕舞われてしまいました。銀の長年の夢だった外に出るという夢は、太郎のお母さんによって、無事に果たせられました。
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