静寂の森

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男は永い年月をこの世界で過ごしていた。 腹も減らなければ眠たくもならない。 話す相手もいない。 気をまぎらわすために、男は家に置いてあった書物を 片端から読みふけった。そしてたまに家の外へ顔を出すと、 ぼーっと誰もいない森を眺めるのだった。 そうしてまた、幾ばくの年月が流れ、男が書物を読むのにも 飽きだした頃、一人の少年が家を訪ねて来た。
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