静寂の森

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それから男と少年は談笑に耽った。 自分が食べることも寝ることもできないことなど忘れ、 いつまでもしゃべった。本来の世界ならば日が暮れるまで。 話に一通り花を咲かせたあとしばらくして、少年は尋ねた。 「この家に来る前は、あなたはどうしていたんですか?」 男は言った。 「君と同じだよ。人も動物も、虫1匹いない静かな空間で、ひたすらさ迷い続けた。そうしてしばらくしたら、この家にたどりついた」 「ですよねー。僕もそうでした」 少年は笑った。 「でも、ここであなたと出会えてよかったです!話し相手がいるっていいなー」 「しかし、君と私では決定的に違うことがある」 「何ですか?」 「君には帰る場所がある」
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